- 会社名
- 株式会社リーデックス
- 売上規模
- 10億円
- 資本金
- 1,850万円
- 本社所在地
- 宮城県仙台市
- 事業内容
- 自動車の電装部品・用品の販売
- M&A実施前の課題
- 後継者不足
- 会社名
- 株式会社ジーライオン
譲渡企業概要
譲受企業概要
自動車の電装用品を販売する株式会社リーデックスは、4代目の社長が30年以上にわたり優れた経営手腕を発揮していましたが、後継者不在によりM&Aを検討。2年にわたる株主との交渉の末、好条件でのM&Aに成功しました。契約締結までの経緯と新体制が始まってからの会社の様子について、代表取締役社長の櫻井宣裕さんにお話しいただきました。
M&Aができるだけの体力のあるうちに、経営を引き継ぎたい
M&Aを検討した背景について教えてください。
株式会社リーデックスは、1970年に創業。創業者には息子がいましたが、中学生のときに亡くなっており、その後まもなく創業者も亡くなったので、一族ではない別の人物が2代目や3代目の経営者となっていました。
創業時に私の父が出資をしていた経緯から、私が4代目社長に任命されます。34歳のとき就任し、以降30年以上にわたり会社の経営を任されてきましたが、60歳を迎えるにあたり事業承継を検討し始めました。しかし私の2人の子どもに事業を継ぐ意志がなかったことや、社内に株を買い集められる経済力を持つ適任者がいなかったことから後継者探しは難航。金融機関や業界関係者からこの先どうしていくつもりなのかという問い合わせもあり、M&Aを検討し始めました。
ハレバレとの出会いについて教えてください。
ダイレクトメールをいただいたことがきっかけです。それまでも大手仲介業者から連絡をもらっていましたが、大手の業者はあまり中小企業のM&Aを熱心に進めてくれないのではないかと考えていました。当時のハレバレは開業されたばかりでまだ実績はほとんどないようでしたが、安価で明快な手数料が示されていたこと、誠実さを感じたことから依頼をすることにしました。取引先の実績によく知っている企業の名前が並んでいたことも影響しています。
他社との比較はされたのでしょうか。
相見積りなどを取った方がいいとはわかりつつも、比較検討はしませんでした。経営者としての仕事をしながらM&Aの準備をしなければならなかったため、負担が大きかったことに加え、会社を存続させるためには交渉を急ぎたかったからです。M&Aの実施には時間も体力もいるだろうと考えていたので、できるだけ早く実行に移したいと考えていました。
知人もM&Aをしたグループ会社に譲渡を決定
譲渡相手は何社目で決定したのですか?
1社目の候補が譲渡相手となったジーライオングループでした。実は少し前に、知人の会社がジーライオングループに事業譲渡をしたと聞いていたので驚きました。知人からは「良いM&Aだった」と聞いており、交渉を進めることにしました。
ジーライオングループの代表は非常に物腰が柔らかく「一緒に頑張っていきましょう」とおっしゃってくださいました。好印象を抱きましたね。
ジーライオングループはすでに西日本で幅広い活動をしており、今後は東日本、特に東北地域へ進出を強化したいと考えていることがよくわかったため、先方の意向を理解しやすく安心感を得られました。グループ傘下にある昭和トラストの仙台営業所がリーデックス本社から直線距離で200mのところにあったことも納得できる材料となりました。
交渉にあたり提示した条件はありましたか?
社員の雇用を守ってもらうことだけをお願いし、金額には交渉を行いませんでした。会社を私物化していたわけではないので、存続こそが最重要ポイントだったのです。しかし好条件を示してもらえたとは思います。
株を買い集めるのに一苦労。2年の交渉の末に準備が整う
M&A実施にあたり、最も苦労されたことはどのようなことでしょうか。
株を買い集めることです。社員が持っていた株はすんなりと集めることができましたが、創業者のご家族が持っている株を譲り受けるために2年を要しました。大変長い取引になりましたが、ハレバレには適宜助言をいただき、じっくり伴走していただきました。なかなか交渉がまとまらないうちに業績が低下してしまったこともあったのですが、M&Aは元々の金額で実施してもらうことができました。
M&A実施後、社員の皆さんにはどのような説明をされたのですか?
株を集めてはいましたが、迷惑をかけないためにM&Aの準備を進めていることは社員には内密にしていました。締結間際に役員には状況を伝えましたが、社員にM&Aをしたことを伝えたのは契約締結後です。調印の2日後に全社員を対象とした説明会を開き、ジーライオングループの菊地社長が自らの言葉で新たな組織になったことを語ってくださいました。社員の不安を解消する効果があったと思います。
M&Aを進めるうえで不安なことはありましたか?
取引を始めたころは本当にM&Aができるのかどうかとても不安でした。会社買収に関わる良くない話を聞くこともありますから、何を信じていいのかわからない状態だったんです。会社を譲渡するなど初めての経験ですから、偽物の書類が紛れていてもわからないでしょう。頑張って契約書の中身を一つひとつ確認しましたが、なかなか不安が解消されないので最終的にはジーライオングループの本社にお邪魔して、存在の確認をさせてもらいました。それでようやく相手がきちんとした存在なのだと認識することができましたね。
契約の際も、権利書や印鑑などの貴重品を持ち歩かなければならないため、非常に緊張していました。新幹線のなかでも肌身離さず、宿泊先ではコンビニで食事を買い込んで、目を離さないようにしていました。ですから、無事に契約が結べたときには本当に安心しました。
大きなグループ会社の傘下に入り、肩の荷が降りた
M&A実施後、リーデックス社にはどのような変化がありましたか?
M&A後も3年間は現状の体制で運営をすることになりました。代表取締役社長という肩書は私に残りましたが、肩の荷が降りたことを感じています。
一方で大手グループに参加することになった分、社内ルールが厳格化し、経営はよりロジカルに進められることになりました。売上目標および利益数字の提出が求められるようになり業務のやや煩雑さは増していますが、健全な経営をするためには必要なプロセスだと思っています。
今後はどのように会社に携わるのですか?
リーデックス社がジーライオングループの一員として活躍する会社になるよう音頭を取り、調整を図っていきたいと思います。グループのルールに則ってしっかり成長していける会社にしておきたいですね。
任期を終えるころには65歳になります。そのころには第二の人生を楽しめるといいなと思っています。
M&Aをしたことを周囲の方にはどのように評されていますか?
「まだ若いのだから、もう少し自分でやればいいのに」と言われることもありますが、体力が落ちきってしまってからでは、まとまる話もまとまらなくなると思ったのです。創業者の家族に交渉できるのは私だけということもあったので、私がしっかり決断できるうちに、新しい経営体制を整えられて良かったと感じています。
M&Aを検討している人にハレバレをおすすめできますか?
はい、事業承継に悩まれている方は相談するといいと思います。ハレバレの成約実績は増えてきているようなので、私が抱いた不安を感じることなくお任せすることができるのではないでしょうか。ジーライオングループの社長もハレバレの松本さんのことを「誠実で安心できる人だ」と言っていました。手数料も手頃なのでぜひ相談されると良いと思います。